3月の薬膳食話スペシャル

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3月の薬膳食話スペシャル

2016.5.29
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Sun

CIMG4725今年はじめてアトリエの出張ワークショップは東中野の『ビストロソレイユ』にお邪魔しての、3月「薬膳食話スペシャル」。そのテーマは、おいしい大豆と麹、塩で我が家の手前味噌を作ろう、でした。

 

お店に入るとテーブルクロスの上には材料と作業で使うための空き瓶が並んでいます。さっそくみなさんエプロンをつけて手を洗い準備を整えます。この日のウェルカムドリンクはまだ3月ということで、花粉症や水っぽい鼻水、咳やたん、くしゃみなどを意識してブレンドしたもので、ルイボスティーをベースに、しそやシナモンの香りがたつホッとひと息つく薬膳茶でした。

 

今回は使う素材は、ソレイユの樋口陽子さんにそろえていただいたものです。フレンチのお店なのですが、素材にこだわっておいしいものをたくさん知っている方ですからワインのことから、おだしのとり方まで、彼女のお話はいつでもとても興味深いです。

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さて、大鍋で茹でた大豆は千葉県山武市『ミノワライスフィールド』の千葉県在来種「小糸在来」、麹は同じミノワライスフィールドの合鴨農法・無農薬のお米「かもまい」を使った特製麹、塩は「大地を守る会」から メキシコ、オーストラリアの天日塩ににがりを加えたものを、日本で昔ながらの平釜で煮詰めて再結晶させた製品を使用しました。こだわりたい方はお塩も国産の価格の高いものでもかまいませんという説明もありましたが、今回はふだん使いの調味料ということで材料費もそれを意識してバランスを考えていただいたことがわかります。日本人にとってなじみの深い発酵食品は、体の免疫力を高め、肌や腸の調子を整えると言われています。薬膳・漢方では、味噌は「鹹味(かんみ・塩辛い味)」、「腎」を養う食材と考えられています。「腎」を養うことは、アンチエイジングに大切なことという説明もありました。

 

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手順説明をして作業開始です。まずは“塩切り”といって麹と塩を袋の中でよく混ぜます。そしてさらに大豆の袋に加えてまんべんなく混ぜます。熱すぎると麹がダメになるので、ほのかにまだあたたかいくらいの温度です。さわると立ち上る香りもあまくて、つい「美味しそう〜」の声もあがります。茹でた大豆は張りがあってツヤツヤ、実際に食べてみるとびっくりするほど甘いです。

 

よく混ぜたらビニールに小分けして、手や空き瓶を使って大豆を潰していきます。最初はやわらかいので簡単そうに見えますが、まんべんなく手作業で潰すのは意外と大変。夢中で作業していて汗だくになる人もいました。うす茶色だった袋の中身は潰されて白っぽく見えるようになりました。美味しい味噌のために力を出して頑張ります。みんなでわいわい話したり、進み具合をお互いに見たりして、ときには協力しながら作業をするのは楽しいです。

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IMG_4956そしてランチタイムでは昨年ソレイユのワークショップに参加して作ったアトリエのお味噌の味見と、樋口陽子さんの手作り味噌のとん汁、ミノワライスフィールドの「かもまい」を大豆のゆで汁で炊いたご飯をいただきました。アトリエから持ち込んだお味噌は深みがあって美味しい仕上がりで大好評でした。お持ち帰りした味噌はまったく同じ材料でも発酵する場所や時間によって味が変わるそうで、ひと月ごとに味見をして確認してみてくださいと説明がありましたが、お好みの発酵状態を調整できるというのも手作り味噌の魅力のひとつです。ご飯も具沢山のとん汁、お漬け物も、身体にしみわたるやさしい美味しさでした。

 

帰宅後発酵させる容器に詰め替えて、美味しいお味噌になるように待ちます。どんなお味噌が出来あがるのかとても楽しみです。おみやげに用意した本日の薬膳茶もお持ち帰りいただきました。アトリエでのワークショップも毎月行っています。お時間があえばぜひいらしてみてください。

(スタッフN)

 

追記 7月9日に『ビストロソレイユ』にて手前味噌自慢大会を企画しています。みなさんふるってご参加ください!(味見専門の参加も歓迎です)

 https://halu-g.jp/?post_type=news&p=1877

 

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◆ケータリング・ビストロ 「ソレイユ」

 http://www5b.biglobe.ne.jp/~Y-Soleil/index.html

◆ミノワライスフィールド

 http://www.3rinsha.com/blog/

 https://www.facebook.com/minowaricefield/

◆アトリエハル:G

 https://www.facebook.com/halu.g.jp/

 

2月の薬膳茶話「心と薬膳」

2016.3.29
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Tue

IMG_44092月ワークショップは陽射しの温かな日曜日でした。ウェルカムドリンクはぜひ味見していただきたくて福岡『職彩工房たくみ』さんから届いたばかりの温州みかんジュースです。果実入りタイプなので「濃い」ジュースシリーズの中でもさらに濃厚な1品。「美味しい!」の笑顔が嬉しいです。

 

今回のテーマは「心と薬膳」。漢方では人間の心理(感情)が内臓の働きに影響すると考えられています。つまり心理の養生が非常に大切で、精神上の健康を保つことで、生理活動によい影響を与えて健康になると考えます。

 

 

 

CIMG4809そして「内傷七情」という七つの感情についても学びました。説明の後に香りについてのお話もありました。漢方では「医香同源」という言葉がありますが、香りもまた医や食と同じように心と体に働きかける大切な要素のひとつと考えられています。アロマオイルの香りを体験しながら七つの感情についても詳しく学びました。

CIMG4810CIMG4820本日の薬膳茶は「怒」「喜」「思」「悲・憂」「恐・驚」の5種類で、こちらも香りがよくたつものばかりです。みなさんに食材を計量してもらってティーポットにお湯を注ぐとまずは色と香りを確かめて比べてみました。そして5種類の試飲をしていただきました。味や香りの好みもそれぞれ違っていて、感想をうかがうと自己分析?も入っていたりして面白いです。

 

 

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そのお茶と一緒に楽しんでいただく「ちょい薬膳」はせいろで蒸し上げたホットプリンです。熱々のプリンにはゆりねや蓮の実、なつめの食感が加わりこちらも陳皮や黒糖の香りがアクセントでした。心を緩めてほっと和んでいただけていたら嬉しいです。

プチマルシェは福岡『職彩工房たくみ』さんの「濃い」ジュースシリーズと黒糖ジンジャーシロップ、静岡県産乾燥しいたけでした。2月の香りは花粉症や風邪予防を意識してカモミールジャーマン、ティートゥリー、レモンのブレンドでした。

 

3月はいよいよ味噌ワークショップです。お楽しみに。(スタッフN)

 

 

1月の薬膳茶話「冬こそアンチエジング」

2016.1.28
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Thu

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新年最初の1月ワークショップは曇り空で肌寒い日でした。テーマは「冬こそアンチエイジング」です。寒い屋外から来るみなさんのためにウェルカムドリンクは温めの薬膳茶。よもぎ、紅花などのブレンド茶です。

 

紅花が入っていると聞いて「12月に試飲した紅花酒は苦手だったのにこのお茶はおいしいし香りもいい」という感想もありました。薬膳酒のなかでも単方酒はストレートに味や香りが出ますが、ブレンド茶は、心や体への役割を考えながらバランスよく色と香りが出るように調整していますので、おいしく召し上がっていただけて嬉しいです。

 

さて、漢方では男性の体調変化を8年周期で、女性の体調変化を7年周期で考えます。CMでご存知の通りです(笑)。子ども、青年期、中年期、壮年〜老年期と心も体も変化していくなかで養生のポイントが変わっていくことを学びました。

 

CIMG4693さらに今回は、漢方のきほんである「五臓」について、より身近に生活につなげられるように「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の役割や特長を学んで、「五臓」の状態がどのように心身へ表れるのかということを具体的に聞きました。

 

次に「五臓」を養う食材について「五色」や「五味」や「五季」などの要素を取り入れながら詳しくお話し、食事をバランスよく考えてとることで心身のバランスを整え「気血水」が過不足なく巡っている状態を作るということの大切さを改めて学びました。

 

実際にみなさんに作っていただく薬膳茶はテーマに沿った3種類です。食材をレシピに沿って計量してお湯を注いでしばらく待ちます。

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シナモンが香り、黒糖などがほんのり甘いお茶、りんごの皮となつめが効いていてほっとするお茶、しその香りがたってすっきりさわやか系のお茶の3種類。「どれも美味しい!」とさらにお湯を足しながらお茶がすすみます。よく蒸らすことで味が出てくる食材もあるのでその違いも楽しんでいただけたと思います。

 

IMG_3521「ちょい薬膳」は具だくさんの粕汁です。黒きくらげ、はすの実などの薬膳食材に、さけ、里芋やだいこんなど野菜もたっぷり。そして古代米の赤い酒粕でほんのりピンク色もついています。この酒粕はお屠蘇の会で飲んでいただいた京都・伊根町の「向井酒造」さんのもの。色もきれいですが香りもとてもやわらかいので酒粕の香りが苦手という方にも美味しく食べていただけます。また、味噌は、昨年東中野の「ソレイユ」さんで作った手前味噌。顔の見える食材を扱えることはとても幸せな気分になりますね。薬膳茶と粕汁で身体があたたまりみなさんの頰もほんのりピンク色になりました。

 

 

最後に男女の養生についてのお話がありました。また、この日の香りはゼラニウム、フランキンセンス、ユーカリのブレンドでした。テーマにあわせて「腎」や「肺」の働きを高めて呼吸を深くし身体のバランスを整え代謝をうながすことを意識しました。プチマルシェはおなじみの国産黒キクラゲ、乾燥しいたけ、はと麦などです。「黒ぽんはありませんか?」という声もいただきましたが、大好評のため現在完売です。好評につきまたお取り寄せしたいと考えています。

 

次回2月の薬膳茶話のテーマは「心」です。(スタッフN)

 

12月の薬膳酒話「年越しの薬膳・お屠蘇づくり」

2016.1.27
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Wed

IMGP418112月のワークショップのテーマは「年越しの薬膳・お屠蘇づくり」です。ウェルカムドリンクは前夜から日本酒に浸けて用意していたオリジナルのお屠蘇です。この回のために日本酒は、京都の伊根町の向井酒造さんからお取り寄せしました。

お屠蘇とは、大晦日の晩に酒やみりんなどに、いくつかの生薬を合わせた屠蘇散(とそさん)を浸し、元旦に新年の挨拶のあと、食前にいただくお酒です。また、お屠蘇には「邪気を払い、無病息災を祈る」という意味が込められているということで、漢方の考え方と一致するところが多いことを学びました。お屠蘇という言葉にはなじんでいても実際には初めて知るような興味深い内容もあります。

 

 

 

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そして、この日のために準備した単方酒を2〜3種類ずつ順番に試飲をしていただき、その素材の働きや性質を学びながら香りや色や味を楽しみました。単方酒は割と素材がシャープに出やすいので、決して美味しいものばかりではなく刺激的なもの、味や香りの個性的なものも多数ありました。その数ぜんぶで17種類。

 

 

 

 

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人の好みはさまざまで面白いです。「これダメ!飲めない」と1人が言っていても横で「これ美味しくて好きかも」という声も聞こえたり、順番を変えてもう一度飲むとなんだか印象が違っているという感想もあったり、だんだんとみなさんも自分の好みや素材の持ち味を確認できたようです。

 

IMGP4193IMGP4195漢方には「医香同源」「芳香健胃」という言葉もあって、味や素材の特長だけでなく香りも重要な要素です。単方酒の後に複方酒も試飲して自分のオリジナルお屠蘇に何を入れるかを各自で考えていただきました。脳を元気にするという説明をしたローズマリーは一番人気(笑)。「血」を補い巡らせるものを組み合わせたり、お疲れ気味のせいかリラックスの働きがある甘味を中心にしたり、みなさん体調や目的に合わせて好みの素材を選択してオリジナルお屠蘇のもとができました。

 

 

 

この日は『ちょい薬膳』として黒豆とりんごのディップと黒キクラゲやクコの実入りのポテトサラダをフランスパンと一緒にご用意しました。お酒に酔ってしまわないようにつまみながらの進行でした。福岡のあさくらから取り寄せた炒り黒豆「黒ぽん」と参加した方が差し入れてくださった揚げぎんなんもおつまみにぴったりと好評でした。

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CIMG4597プチマルシェはおなじみの国産黒キクラゲ、しいたけ、はと麦と福岡のあさくらから届いたクロダマル(生豆)と炒り豆の「黒ぽん」です。「黒ぽん」はそのままつまんでよし、お茶にしてよし、ご飯に入れてもよしと手軽で美味しいです。本日のアロマは、スィートオレンジ、シナモン、サンダルウッドのブレンドでした。「気」「血」を補って巡らせて「肝」「脾」の働きを高めます。冬の温め系で胃腸を健康にすることを意識しました。

オリジナルのお屠蘇のお味はいかがでしょうか。みなさんの感想もぜひお待ちしています。

 

(スタッフN)

 

迎春 2016

2016.1.3
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Sun

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迎春 2016


 

「外の世界にも出て行こう!」をテーマに、アトリエから飛び出した2015年。カルチャーセンターでの講座や公開講座、出張ワークショップ、カフェレッスン、念願だったいちじく狩りツアー、さまざまな編集物、書籍の制作など、それぞれの場所でたくさんの方々に支えられ、新たな出会いを紡ぐことができました。本当にありがとうございました。2016年は、このご縁を大切にすること、そして、さらにチャレンジすることを誓い、心新たに始動します!

積み重ねることで得られる充実感、分ち得合える喜び。自然に沿い、季節に沿う日々の中で、お伝えしたいことに変わりはないけれど、鮮度よく、日々の暮らしに活かしていただけるよう、工夫すること。それこそ、先達たちが教えてくれた大事なことです。

「創意工夫」をテーマに、【atelier ハル:G】は2016年も皆様の暮らしに寄り添う提案をしてゆきたいと思います。

アトリエ ハル:G 伊嶋まどか