12月のワークショップのテーマは「年越しの薬膳・お屠蘇づくり」です。ウェルカムドリンクは前夜から日本酒に浸けて用意していたオリジナルのお屠蘇です。この回のために日本酒は、京都の伊根町の向井酒造さんからお取り寄せしました。
お屠蘇とは、大晦日の晩に酒やみりんなどに、いくつかの生薬を合わせた屠蘇散(とそさん)を浸し、元旦に新年の挨拶のあと、食前にいただくお酒です。また、お屠蘇には「邪気を払い、無病息災を祈る」という意味が込められているということで、漢方の考え方と一致するところが多いことを学びました。お屠蘇という言葉にはなじんでいても実際には初めて知るような興味深い内容もあります。
そして、この日のために準備した単方酒を2〜3種類ずつ順番に試飲をしていただき、その素材の働きや性質を学びながら香りや色や味を楽しみました。単方酒は割と素材がシャープに出やすいので、決して美味しいものばかりではなく刺激的なもの、味や香りの個性的なものも多数ありました。その数ぜんぶで17種類。
人の好みはさまざまで面白いです。「これダメ!飲めない」と1人が言っていても横で「これ美味しくて好きかも」という声も聞こえたり、順番を変えてもう一度飲むとなんだか印象が違っているという感想もあったり、だんだんとみなさんも自分の好みや素材の持ち味を確認できたようです。
漢方には「医香同源」「芳香健胃」という言葉もあって、味や素材の特長だけでなく香りも重要な要素です。単方酒の後に複方酒も試飲して自分のオリジナルお屠蘇に何を入れるかを各自で考えていただきました。脳を元気にするという説明をしたローズマリーは一番人気(笑)。「血」を補い巡らせるものを組み合わせたり、お疲れ気味のせいかリラックスの働きがある甘味を中心にしたり、みなさん体調や目的に合わせて好みの素材を選択してオリジナルお屠蘇のもとができました。
この日は『ちょい薬膳』として黒豆とりんごのディップと黒キクラゲやクコの実入りのポテトサラダをフランスパンと一緒にご用意しました。お酒に酔ってしまわないようにつまみながらの進行でした。福岡のあさくらから取り寄せた炒り黒豆「黒ぽん」と参加した方が差し入れてくださった揚げぎんなんもおつまみにぴったりと好評でした。
プチマルシェはおなじみの国産黒キクラゲ、しいたけ、はと麦と福岡のあさくらから届いたクロダマル(生豆)と炒り豆の「黒ぽん」です。「黒ぽん」はそのままつまんでよし、お茶にしてよし、ご飯に入れてもよしと手軽で美味しいです。本日のアロマは、スィートオレンジ、シナモン、サンダルウッドのブレンドでした。「気」「血」を補って巡らせて「肝」「脾」の働きを高めます。冬の温め系で胃腸を健康にすることを意識しました。
オリジナルのお屠蘇のお味はいかがでしょうか。みなさんの感想もぜひお待ちしています。
(スタッフN)