3月の薬膳茶話スペシャル
「大人の遠足2018春 福島・東和へ」
味噌づくりとフレンチシェフ樋口陽子さんの夕食をいただく
2018年3月10〜11日開催レポート
【atelier ハル:G】 の味噌仕込みワークショップでお世話になっているフレンチシェフ樋口陽子さんの元を訪ねた、今回の大人の遠足は、福島県二本松市東和。まずは、東和の農家さんたちの味噌仕込みを見学しました。
家族の一年分の味噌を3日間かけて仕込みます。白米を使った麹づくり、大豆の浸水や蒸し、麹と塩と大豆を混ぜる、プロセッサーにかけて家ごとの樽やバケツに分配するなど、作業はみんなで協力して行います。ひと家族の単位が2斗(20升)で7〜8家族分を一度に仕込むので、その量は圧巻。それでもみなさんリーダーの指示に従いながらテキパキと作業されています。一年分の調味料を仕込む、家族のための真剣なお仕事です。このグループには、1カ月前に東京で行った味噌仕込みワークショップで使った大豆の生産者さんも参加されていたので、お会いすることもできました。都会で暮らす私たちにとっても大事な調味料である味噌、その材料の故郷に来たんだなと、こういう出会いは嬉しくなります。
お昼は陽子さんのご自宅で、具たくさん味噌汁とごはんとお漬物。乾杯は地ビールの「ななくさビーヤ」。酵母生きている元気なビールに土地の野菜でしみじみおいしいランチでした。
昼食後はいよいよ味噌仕込みワークショップです。「これはタカコさんの大豆、こっちはキミコさんの青大豆」と生産者さんの顔を思い浮かべながら、2kg分の味噌を仕込みます。大豆も麹も東和産の「東和スペシャルミックス」。さて、どんなお味に仕上がるでしょうか。発酵の期間は各自の好みなので、気温がぐっと上がるGW辺りを目処にまずは常温で熟成させます。ご自宅の温度変化があまりない涼しいところに置いてくださいね。
作業の後は日帰り温泉「名目津温泉」へ。東和は花の名所が多いところだそうで、ドライブをしながら案内してもらいました。もちろんまだまだ寒い早春の福島。新芽も花も咲いてはいませんが、静かに春を待つ植物たちの秘めたエネルギーを感じます。4月中旬を過ぎると、梅も桜も一斉に咲き始めるとのこと。緑溢れる季節が待ち遠しいですね。
本日のお宿は、「農家民宿ゆんた」さんです。ご主人は石垣島からの移住してきた仲里さん。お話ししているとほっこりしてくる穏やかな方です。築200年ほどの古民家を利用した民宿は、ご主人のお人柄とセンスを感じるやすらぎの空間でした。今回はこちらでフレンチシェフ陽子さんのお料理をいただきながら、ご主人も一緒に飲み語らうという贅沢な夜です。野菜はもちろん、ワインや豚肉など食材は地元のものばかり。料理を味わいながら伺う生産者など作り手の思いやお人柄話は、宴をより美味しく楽しくするスパイス。お酒もすすみます。そして、忘れてはならないのが「311」の前夜であるということ。食にまつわる地元のみなさんが勉強会やさまざまなプログラムを立ち上げ、前向きに取り組んでいるというお話も聞くことができました。あれから7年という歳月は、誰しもに平等に流れた時間。私自身ももう一度背筋を伸ばして生きていこうと思いました。
翌日は、地元の道の駅「ふくしま東和」で冬の保存食凍み餅や地元野菜をお買い物。さらに、無農薬無化学肥料で育てた自然米で作る酒蔵「仁井田本家」へ向かいました。「にいだしぜんしゅ」「穏」のシリーズを試飲しました。蔵人さんに若い方が多いのか、明るく快活な雰囲気。田んぼのがっこうやスイーツデーなどいろいろと取り組まれているようでした。
ランチは、須賀川市の「銀河のほとり」というマクロビオティックレストランで。地元の食材を取り入れたメニューで、食材数の多いレシピに刺激を受けました。
今回参加してくださったのは、オリーブオイルソムリエの森山陽子さん。夕食の席でプチオリーブオイルテイスティングもでき、本当にありがとうございました。お陰さまで、少人数で小回りよく「食」にまつわる楽しく美味しい旅ができました。
樋口陽子さんから繋いでいただいた福島・東和とのご縁。ゆるゆると長く紡いでいけたらいいなと思っています。大人の遠足福島編の第2回も開催したいと考えていますので、ご興味ある方はぜひ!(伊嶋まどか)
樋口陽子さんのwebサイト
http://soleil-yoko.blogspot.jp
農家民宿ゆんた
仁井田本家