快晴の日曜日、千代田区のビルの屋上で『いちじくを食べよう!育てよう!セミナー』が行われました。主催はNPO法人農商工連携サポートセンター、スカイファームクラブ、農事組合法人成田ガイヤ。
トレーナーは千葉県匝瑳市「成田ガイヤ」の服部素子さんです。服部さんは『いちじく100万本プロジェクト』の事務局も担っています。主催のNPO法人農商工連携サポートセンターからは代表理事の大塚洋一郎さん、トレーナーのお手伝いに千葉県市川市のいちじく農園シンフォニーファームの大西真理子さんがいらしていました。
今回はアトリエで企画を担当したマルシェ本のお仕事で、服部さんのいちじく商品についてご対応いただいたご縁で、こちらのセミナーにもお誘いいただきました。
会場にはぶどう棚やじゃがいも畑(屋上用軽量土を使用)があり、茂った緑の向こうにビルが透けて見えます。当日は、真夏のような暑さだったため、はじめに「いちじく葉茶」をいただき、喉をうるおして日陰を探してのセミナー開始です。いちじくの葉を天日干しにしたお茶は淡い緑色でいちじくの甘い香りがします。
初めての参加者は “芽かき”作業を行いました。樹液にはたんぱく質を溶かす酵素が含まれているので、手が液に触れると低温やけどのようになるとのこと。気をつけるようにと注意があってから、みなさん実際に作業開始です。
いちじくは挿し木で苗を作ります。参加者は枝を切るポイントや葉茶の作り方、来年の芽かきのアドバイスなど熱心に説明を聞いていました。いちじくの天敵のカミキリムシへの対処方法、追肥についても説明を受け、追肥用の肥料も支給されました。
とにかく陽射しが強く休憩しながらの進行。「いちじく酢ドリンク(いちじくの実をお酢につけたものにシロップを足したもの)」をサイダー割りでいただきました。これもまた美味しかったです。
お持ち帰りの苗の鉢は大きいと重いので、小さく土を落として運び帰宅後に植え替えます。苗はマンションのベランダで鉢でも育てられるそうです。鉢の大きさに比例して実のつき具合は差がでるそうですけれど、ベランダでも美味しい実が収穫できるなんてわくわくしますね。(実は事前に苗を購入していた欲張りな私は、大きくなることを期待して実家の庭に植えました。)
苗の説明を聞きながらの作業がひととおり終了すると、楽しい昼食時間です。服部さんのお持ち込み、いちじくといちご、くるみが入っていてワインに合うとうわさの「ドライフルーツの羊羹」が登場。クラッカーとクリームチーズ、ワイン、イチゴジャム(農園産)、ヨーグルトがふるまわれて参加者が自己紹介をしながらのいちじく談義です。
さらにメインはいちじく入りチキンカレー、農園で獲れたという野菜をたくさん添えて。また、「いちじくのドレッシング」に「いちじくチャツネ」まで用意されていました。セミナーでもいちじくの樹液がたんぱく質を分解するという説明がありましたが、カレーに入れた骨付きチキンがいちじくと煮込むとほろほろになるというお話も聞きました。いちじくパワー恐るべし、です。
服部さんのいる農園では、「いちじく葉茶」や「いちじくチャツネ」などの加工品も作られています。「いちじくチャツネ」は野菜につけても肉につけてもカレーに入れても美味しいです。シーズンにはいちじく狩りやいちじく料理を現地で味わえるのだとか。いちじく狩りにいちじく料理! とても魅力的な響きです。
私もいちじくが好きですが、スーパーで見かけるのはほんのひと時のことです。いちじく狩りを体験できるところがあるなんて、しかも、千葉県でできるなんて、実はまったく知りませんでした。まして「自分で育てる」とは今まで思いつきもしませんでしたが、服部さんのお話を聞いていると「なんだかできそう!」と思えてきました。
『アトリエ ハル:G』では、今後このような「農園体験」や「いちじく」とも関わっていきたいと思っています。服部さんにいろいろと伺いながら、いちじくワークショップ(?)もいずれ実現したいです。
いちじくの世界、とっても楽しそうです。(スタッフN)
NPO法人農商工連携サポートセンター(公式ブログ)