摘んだ茶葉は、現地では緑茶に、そして、持ち帰ったものは紅茶にしてみてくださいとのことで、さっそくの作業。摘んだ茶葉を持ち帰り、室内で軽く干した後、茶葉を揉みます。洗濯板を使うとよいと教えてもらったのですが、残念ながら手元になかったので、木のまな板の角を使って、最初はやさしく、徐々に強くこすり揉み。1時間ほど格闘していると、葉の色が徐々に茶色に。そして、青臭さの中に華やかな紅茶の香りが感じられるようになりました。
バットに移して濡らしたふきんを被せて1時間半。常温(この日は22~23度)で待ちます。この間に茶葉の発酵が進みます。茶葉の色が明らかに変化して赤褐色になってきました。
ホットプレート110〜120度で乾燥ということで、プレートではなく、オーブンで120度設定、様子を見ながら茶葉をかき混ぜて15分くらい乾燥させました。徐々に黒く縮れて甘い香り。翌朝、飲んでみました。やわらかい風味でほのかな紅茶の香り。甘く、心地よい味わいです。そこには緑茶の苦味は全く感じられません。不思議ですね。
緑茶から和紅茶へ。工程を変えただけで違うお茶になりました。薬膳では、緑茶は清熱といい、体の余分な熱を冷ます力があり、紅茶は温め、内臓を温めると考えます。同じ茶葉で発酵を加えたことで性質が大きく入れ替わる不思議。和紅茶づくり、アトリエ作業ですが、ひとりでとても楽しみました。
(伊嶋まどか)